2008年05月09日

50歳の前と後

 先日、愕然としたことがありました。50歳以上とそれ以下の年代との違いをまざまざと見せ付けられた調査結果に出会ったからです。それは、日経BPコンサルティング社が実施したブランドイメージ調査「ブランド・ジャパン2008」の結果でした。
 この調査は、2007年11月6日から12月3日までの間にインターネットを通じて行われました。消費者に尋ねた「コンシューマー市場(BtoC)編」と、企業人の目線で評価を尋ねた「ビジネス市場(BtoB)編」で構成され、コンシューマー市場編では千ブランドを対象に回答者に16のイメージを示し各ブランドのイメージに当てはまると思うものを選んでもらうという方法で実施したところ、33,860人から有効回答を得たとのことです。また、ビジネス市場編のほうも17,412人の有効回答があったそうです。
 概略は下記のURLで見ることができます。
http://consult.nikkeibp.co.jp/consult/release/bj080418.html

 ところで、私が驚いた内容は残念ながら上記では示されておりません。4月18日付けの日経流通新聞に掲載されていたのですが、“世代別の総合力ベスト10”というデータでした。
 それによると、29歳以下、30歳代、40歳代における総合的なブランド力の1位と2位は、いずれも任天堂かスタジオジブリとなっていたのに対し、50歳以上における1位はトヨタ自動車、2位はシャープでした。
 さらに50歳未満の世代における3位以下のブランドとしては、ディズニー、ニンテンドーDS、モスバーガー、日清食品、ipod、カップヌードル、ウィキペディアなどであるのに対し、50歳以上での3位はソニー、4位はパナソニック、5位は任天堂、6位はホンダ、7位はナショナル、8位はキャノンといった具合です。つまり、任天堂がかろうじて5位に入っているほかは、自動車メーカーか家電メーカーに集約されていると言えます。
 これを見て、50歳を境に、明らかに“見えない壁”のようなものが存在していると感じたのは私だけではないと思います。

 昨年11月の調査時点で50歳の人というのは、昭和32年生まれにあたります。従って50歳以上の人達は昭和32年以前に生まれた世代ということです。昭和31年の経済白書では「もはや戦後ではない」ということが述べられたとのことですが、50歳以上の人達は戦後の復興期に生まれその後の高度成長期を経験した人たちです。
 大量生産、大量販売、大量消費が当てはまった時代。隣の人に“右倣え”で、“大衆”を対象としたマーケティングが効果を発揮できた時代でした。
 しかしその後、30年くらい前から今日にかけては、価値観の多様化とともに“大衆”を対象としたマーケティングは力を失いました。今回のブランド調査結果は、正にそんな世代間の差が透けて見えたものと言えそうな気がします。


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2008年05月02日

スーパーコンビニ

 最近、いつも乗降している地下鉄駅そばのコンビニがリニューアルオープンしました。野菜や果物の取扱いをウリにしているようで、看板にもそのことが明記されています。
 通るたびに気にかかり、先日覗いてみました。なるほどちょっとした野菜がおいてあり、果物もそれなりに陳列されていました。店も、外から見ると以前にくらべ店内が明るく、入ってみたくなる造りです。ただ、自分のお目当ての品が置いてなかったのを良いことに、何も買わずに出てきました。

 もう一店、自宅の近くにあったコンビニが閉店したと思ったら、一月ほど前に別な店がオープンしていました。上で述べた店は、「ローソン・プラス」で、ローソン系であることがすぐわかりましたが、この店はこれまで見たことのない看板名です。
 中に入ると、その充実ぶりに驚きました。野菜や果物を置いているのはローソン・プラスと同様ですが、焼きたてパンを売っていますし、弁当もその場で調理して販売しております。そして奥には喫茶コーナーがあり、ドトールコーヒーのような作りです。

 さらに驚いたのは、車のウインドウォッシャー液まで置いていたことでした。コンビニ+ミニスーパー+ファーストフード店のような業態と言えます。スーパーコンビニ(コンビニを超えた)とでも形容できそうな店作りでした。
 営業時間は7時〜23時半とのこと。日曜日の朝食はここへ出向いても良いかな…と思ったほどでした。
 小売業も努力していますね。旧態依然とした店は、どんどん衰退していくはずです。
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2008年04月25日

税金とマーケティング

 今年度に入って、役所がらみで、ある業界の付加価値向上支援を手伝うこととなりました。先日もその事業の対象となっている企業に出向いたのですが、なかなかやりがいのある仕事です。というのは、その企業のモチベーションが非常に高く、お手伝いした成果が現れそうだと実感できるからです。

 ところで、ここで少し困った問題が存在します。実はこの事業、もとはと言えば税金が投入されています。取り組むに当り、担当する役所から言われたことは、「モデル企業になってもらった事例をあとで取りまとめ、広く他の企業の参考となるようにしてほしい」ということでした。これは、税金を有効に利用するという観点からは、至極あたりまえなことです。しかしながら、その対象が、今回は「付加価値向上策」なのです。

 実は、経営コンサルの考え方としては、付加価値向上策とは、「すぐれて戦略的」なテーマなわけです。つまり、グローバル競争が進展している今日において、付加価値を高めようとすると、他社以上に優れていたり、他社とは違う何かに取り組まなければなりません。 
 出来るだけ他者が真似できないようなことを考え出し、実行に移す必要があります。これは、マーケティング戦略の基本中の基本です。そのエッセンスを広く同業他社に利用させるような手法を推し進めることは、マーケティング戦略の観点からは全く相容れないことなわけです。

 従ってここに、税金を投入するにはその目的を吟味しなければならない理由が存在すると言えます。今回の事業については、既に片足を踏み込んでしまっていますので、途中で投げ出すわけにはいきませんが、実際に担当してみて気付かされた出来事でした。
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2008年04月17日

買われる(変われる?)北海道

 先週、窓口に一組の相談者が見えられました。用件は、「北海道の企業を買いたい」というものでした。
 お見えになったのは、首都圏にある本社の社長と、道内にある出先の責任者の方でした。何年かこの窓口で経営相談を担当させていただいておりますが、これほどストレートにこのような話を受けたのは初めてです。

 その社長は言いました。「今、食糧の安全・安心が問題となっている。これまで海外からの輸入に頼ってきたが、今後は万が一のことを考えておく必要がある。日本ではコメは足りていると言われているが、最近の異常気象を考えると今後はそれも怪しくなる。温暖化により関西ではコメが作りにくくなるのではないか。寒いと言われていた北海道が何年か後には稲作適地になるかもしれない。食糧は、間違いなく戦略物資になる。これからは北海道の時代だ」と。
 そして、「北海道で食品加工をしている企業で、後継者がいないなどの理由で困っているところがあれば買収したい」と言うのです。つまり相談というのは、その適当な相手がいれば紹介してほしいということでした。

 こうした話題は、一般的にもあまりあからさまにはならない話です。もちろん私が担当している窓口でもそれほどある話ではありません。また、立場上、正面きって「お教えします」などと言える話でもありません。
 しかしながら、現実問題としては、今、各企業では「世代交代」の時期を迎えているケースが増えております。
 そこで国としても、「事業承継」が円滑に進むよう、側面から支援する措置をスタートさせました。http://www.meti.go.jp/press/20080205003/20080205003.html
 中小企業では、6〜7割が親族への承継となっているようですが、なかなか適当な後継人材が見つからないケースも結構存在します。廃業するのも1つの選択肢ではありますが、従業員が路頭に迷うことにもなりかねません。

 こうした場合、第三者から経営を引き受けてもらえるか否かは、その企業になんらかの魅力があるどうかにかかっています。できるだけ会社の実態を磨き上げ、魅力のある会社に“変われ”れば、結果として“買われ”る企業ということになるのだと思います。
 企業ではありませんが、今、ニセコ地区は外国人に買われる地域となっているようです。オーストラリアからの進出が話題になったりしていますが、実はイギリス人が買っているといううわさも聞いたことがあります。
 問題は、当事者である北海道の企業や人間が、自らの価値に気付き磨き上げようとする意識がまだまだ少ない点にあるのではないかと感じます。
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2008年04月09日

品揃えの妙

 急に、書棚が欲しくなりました。本や書類が増え続け、収納に苦労していました。春は新たなことに手を出してみたい気分にさせられる季節です。この際、スライド式で二重に収納できる木製の書棚を買いたいとの思いが強まり、先週から色々物色しておりました。
 家具屋さんやホームセンター、事務機器ショップ等を見て歩きました。「旭川家具」をウリにしているある店に行ったところ、非常に先駆的なデザインの、どちらかと言えば洋風の家具がたくさんありましたが、残念ながら書棚はありません。また、価格も結構なレベルで、全く私は興味が持てませんでした。たまたまこの店は妻の勧めもあり一緒に出向いたのですが、あまりに早く引き上げようとした素振りが見え見えだったせいか、妻にしかられました。

 ある大型ホームセンターでは、飛騨の家具といっしょに素敵な書斎机がありました。私が探している書棚も並んではいたのですが、ぴたっとくるものがありません。
 部屋が狭く、中途半端なスペースに収まるサイズのものは見つけるのに苦労します。その上、スライド式が希望のためなおさら難しくなります。
 先日の日曜日には、ある家具卸しの大展示会があると知り、出かけました。本来は家具店の得意顧客を招いての商談会だったようですが、飛び込みで入れてもらいました。その会場は見て歩くのも大変なほど広く、豊富な品揃えではあったのですが、ここでも不思議と私の求めている品は展示されていませんでした。

 ネットで探すしかないかな?と思いつつも今日もまた、別な家具店を覗いてみました。すると、なかなか良い感じの品がおいてありました。 その店は、それなりの規模ではありましたが、先日の家具卸し店や大型ホームセンターに比べれば半分くらいの広さしかありません。しかし、私が探していた書棚に関しては、結構的を射た品揃えになっていたのです。
 サイズにもこだわりがありました。それまで見てきた店のものは、ありきたりのサイズのものしか目につきませんでしたが、この店の場合は、本を収納することをよく考えたつくりの品が揃っておりました。店員さんが言うには、「書棚には力を入れているメーカーの品」とのことで、その店の品揃えの方針に共感が持てました。

 それにしても、やはりそれなりの値段がします。10万円を超えることは覚悟していましたが、想定していた予算の2倍の価格でした。さすがにすぐ決められずにいると、それを察した店員さんが別なメーカーの品を紹介してくれました。それも似たような価格がついていましたが、北海道のメーカーのため、より値引きができるとのこと。
 そのメーカーもこだわりの家具づくりをしており、サイズは70cm幅から10cmきざみで12段階ものバリエーションがあるのには驚かされました。そして驚いたことがもう1つ。店員さんは、「このメーカーのものは4割引けます」と言うではありませんか!それだけ引いても儲けがあるということは、定価そのものがそれなりに高めの設定をしていることは容易に想像できます。

 こだわりのつくりに共感していたのに、値引きの話で少し醒めてしまいました。希望していたスライド式のものがなかったこともあり、買わずに帰ってきました。
 それにしても、品揃えとは面白いものです。いくらたくさんの種類があったとしても、当方のニーズにマッチしていないとなかなか興味が持てません。価格が高くなればなおさら譲れなくなるものです。今、予算の2倍する品をどうやって手に入れようか、思案しているところです。
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2008年04月03日

農商工連携

 近頃、窓口相談に来られる案件には一定の傾向があるように感じます。それは世相を反映したものと言えばそれまでなのですが、やはり相談内容として「介護事業を展開したい」とか「食の安全を守って行きたい」という話題が出てきます。
 そして、結構若い人からもそのような意向が表明され、利益も必要だけど、それよりも「世の中の役に立ちたい」という想いが込められているのです。
 今日の相談者もそうでした。たぶんまだ30歳代の女性ですが、既に飲食店を2店舗経営されていました。それだけでも「すごいな〜」と思うのですが、そのあとの話に驚かされました。

 彼女曰く、「流通システムの改革をしたい」とのこと。「今、食の安全が取り沙汰されている。日本の食料自給率は今やカロリーベースで40%を切り、先進国と言われている中では最も低い。しかし、北海道だけでみると農業が頑張っており自給率は200%くらいと言われている。ただ、これも危ないのではないか?
 農家のほとんどは農協を通じて出荷し、農協は大手食品メーカーなどにまとまったロットで販売している。しかし、大手食品メーカーや外食産業は、状況変化にあわせ仕入先を変更することに躊躇はしない。買えるだけ安い国から仕入れることも厭わない。
そうこうしているうちに国内の農家はほとんどダメになる。北海道も例外ではない。今、なんとかしなければ間に合わなくなる。日本人は本当に飢えることになるのではないか?」
 …母親ならではのリアルな危機感なのかもしれません。「だから私は農家の人たちと連携して、トレーサビリティを確保し、食の安全を守りながら、作ってもらったものが多少高くとも、しっかりと消費者に買ってもらえる仕組みづくりをしたいのです」。思わず、涙が出そうな話でした。「人を殺したかった…。誰でも良かった。」などというとんでもない事件が起こる一方で、「まだまだ捨てたものじゃあない」と勇気付けられる話です。

 とは言え、トレーサビリティ(食料品の履歴を遡って確認可能にしようというシステム)をほんとうにきちんとやろうとすると、想像以上の費用と手間がかかりそうです。何よりも農家の方々に、今の何倍ものご協力を頂かなければならないでしょう。
 誰が栽培したのか。使用した種は遺伝子組み換えではないのか。植えつけた田畑の土壌はどのように管理してきたのか。どのような肥料をどの程度使用し、農薬はいつどのくらい使用したのか。収穫の方法は。時期は。そのときの天候は。輸送の状態は。保管の状態は。精米・製粉等一次加工はどこでどのように行われたか。
…等々、逐一、追跡確認可能な状態に履歴管理がなされる必要があります。
 そしてその情報は、基本的に知りたい人は誰でも確認できる状態になっていなければなりません。今でさえ農産物の生産コストが高いと言われているのに、そんな面倒なことができるだろうか…と考えても不思議はないのです。

 今、国では、「農商工連携」なる施策を進めようとしております。これは、地域に根ざした農林水産業や商工業等の産業間の連携を促進することを通じて、地域経済の活性化を図ることを目的とした施策等について、農林水産省と経済産業省が連携して取り組もうというものです。
 ともすれば農産品・水産品に付加価値をつけた新商品を開発することに目が行きがちですが、今日の相談者のような取組みについても、農商工連携としての支援策の適用がなされることを願いたいものです。
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2008年02月07日

認知症?

 昨日、地方都市の中小企業のある社長から電話が入りました。この社長は、2年前の経営セミナーで私が講師をした際にお会いした方でした。息子さんとお二人でそのセミナーを受講され名刺交換していたのです。

 電話での話は、「来年度から法律が変わり、全ての企業が対応を迫られていると聞いた。来月中に対応しなければならないので、お宅のコンサルを受けながらでも解決しなければと考えている。」とのこと。
 何のことかよくわかりませんでしたが、もしかしたら「日本版SOX法」への対応のことを言っているのかなと思ったものでした。そのあたりを確認しようとしたのですが、「とにかく打合せをしたいので、先生の日程のとれる日を教えて欲しい。飛行機で来て、空港からはタクシーで来て貰えば、旅費は払う」というのでした。

 日程については、「調整の上、FAXでお知らせします」ということにしました。そして今朝、国内線の時刻表を確認のうえ、可能な日程をFAXしました。
 すると間もなく、息子さんから電話が入りました。「FAXを見ました。父が連絡したようですが、どんな内容の依頼をしたのですか?」と。
「いや、とにかくすぐにでも来てほしい。中身は来られてから打合せしたいということでした」と私。

 すると「いや〜、誠に申し訳ないのですが、最近、父の様子が変なのです。取引先に対しても変なことを言い、ちょっと問題になったこともあるのです。今回の話は無かったことにしてください」と言うではありませんか!
 お父上である社長さんは、2年前にお会いしたときには既に70歳を超えており、ひょっとしたら認知症になっておられるのかも知れません。私は以前にお会いしたことがある方でしたので、それなりの理解をしたのですが、初めての方から依頼された話がこのように取り消しされる事態が起こることも考えられますので、高齢社会ならではの留意点と言えるかもしれませんね。
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2008年01月24日

北海道の競争力

 昨日から、スイスでダボス会議(世界経済フォーラム(WEF)の年次総会)が始まりました。これは、世界の政財界の代表が経済問題から外交情勢まで幅広い問題を討議する場とされています。26日には、日本の福田康夫首相も演説を行う予定となっております。
 そこでは、地球温暖化対策について、2013年以降のポスト京都議定書の枠組みづくりとして温室効果ガスの国別削減量を定めた中期目標の設定を提案し、7月の北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)に向け、日本の数値目標を率先して公表する方針も示す予定との報道もありました。

 ところでこの北海道ですが、先日、重要なことに気付きました。それは、日本の国際競争力に関することを調べていてわかったことでした。
 日本は、世界第二位の経済大国ということになっています。これは、GDPの大きさでみた話だと思います。それも市場為替レートベースでのことで、購買力平価(※)でみたGDPで比較すると、日本は中国に抜かれ、第三位になるのだそうです(出典:2007年12月17日発表の世界銀行による2006年リスト)。
 さらに一人当たりGDPでみると、市場為替レートベースで日本は15位、購買力平価ベースでは21位に後退します。そして、スイスの国際経営開発研究所(IMD)が毎年発表している「国際競争力ランキング(2007年5月9日発表)」によれば、日本は前年の18位から今回は24位になったとのことでした。

 実はここで私が注目したのは、日本よりも上位にある国々についてでした。なかでも、北海道とほぼ同じ広さをもったデンマーク、アイスランド、アイルランドといった国々についてです。これら三国の国際競争力ランキングは、デンマークが5位、アイスランドが7位、アイルランドが14位とのことです。スイスIMDの国際競争力ランキングは、それなりに権威のあるものと聞いていますので、いい加減に算出したものでないことは確かなのでしょう。
 さて、この三国ですが、一人当たりGDPの為替レートベースでも購買力平価ベースでも、日本より7番以上も上位に位置している国なのです。北海道と同じ位の広さの国が、一人当たりでみると日本全体の経済力よりも、また、国際競争力としても上に位置づけられているという事実。これはちょっとショックです。

 北海道の人口は560万人です。デンマークは543万人、アイルランドは413万人です。アイスランドは30万人ほどのようですので、面積は同等でも単純に比較するのはまずいでしょう。そこで、デンマークとアイルランドについて、北海道と比べることにしました。
 北海道の域内総生産は約21兆円、うち農業算出額は1兆663億円(’05年)です。デンマークの為替レートベースGDPは約29.6兆円(’06年)、うち農業は約6,800億円(’01年)。またアイルランドのGDPは約23.8兆円(’06年)、うち農業は約6,000億円(’01年)となっています。農業の数字は北海道との比較年次に4年ほどズレがありますが、ここ数年で極端に変化しているとは思えません。

 北海道はこれまで、国土の22%を占めながら4%経済と言われ、日本経済にとってある種の“重荷”のように見られてきた面があったように思います。しかし、よく考えてみると、北海道の「強み」のひとつは、間違いなく農業です。今みてきたように、北海道と同じ程度の広さと人口をもつデンマークやアイルランドと比べても、それ以上の農業算出額があります。しかも北海道の農産物の品質レベルは低くないはずです。GDPで極端に劣るというわけでもなさそうです。
 にもかかわらず、北海道どころか日本全体と比べても、デンマークやアイルランドがどうして世界のなかで日本よりはるか上位にあると見られるのでしょうか?これは真剣に考えなければならない問題だと思います。
 日本はこれまで、北海道のポテンシャルを活かしてこなかったと思います。そして北海道自身もそうでした。洞爺湖でサミットが開催されることをひとつのきっかけとして、北海道のポテンシャルを引き出し活用していくことを考える時期に来たように思います。

※購買力平価とは、それぞれの通貨の購買力(商品を購入する力)が等しくなるように計算した、各国通貨の交換比率のこと。
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2007年12月27日

生きていればなんとかなる

 昨日、ある社長から、しばらくぶりで電話がありました。「そのうちきちんとご報告にあがらなければ…と思いつつ、もう年末になってしまい申し訳ない。来年はいつおられますか?」と。
 実はこの社長、昨年10月のブログに“重た〜い話”ということで紹介した方でした。結局あのあと、途中2度ほど電話がありましたが、お会いしておりませんでした。
 昨日の電話は、うれしい報告でした。「実は今、決算のとりまとめ中です。今年は厳しいながらも社員全員一丸となってがんばってくれたお陰で、数千万円の利益が出そうです。 
 これまで面倒見てもらっていた銀行にも少し前倒しでお返しできそうですし、社員にも少し決算手当を出したいと思います」とのお話でした。

 この社長は、ご自分が興した会社でご苦労されているのではありません。本来今頃は、一流上場企業を退職し、悠々自適の生活を送っているはずの方でした。定年になったら奥様と二人、「のんびりと旅行したり…」と語り合っていたとのこと(以前に聞いた話です)。
 それが、たまたまお兄さんが興して倒産同然に追い込まれた会社を引き継ぐ羽目となり、今日に至っております。途中、二人三脚で支えてくれていた奥様が自ら命を絶つという悲しい事態も起こってしまいました。それでも社長は持ち応えました。
 「生きていれば何とかなる」…本当にそんな言葉が当てはまる話です。

 ちょっと関連した話に切り替えますが、経営再建に力を入れているあるコンサルタントが言っていた言葉を紹介します。彼は、「再建の手法としてDESやDDSなどと言ったものがある。しかし小規模企業の再建にあたって、そんなものは使えないことも多い。ところで私はこんな手法を発見した。それはIINというものだ」と言うのです。
 「それは何ですか?」と問うと、彼は一呼吸置いて、「生きていれば何かある」の略だ、と言うのです。

 しかし彼は、半分冗談ながらも大真面目でした。つまり、ほんとうにどうしようもなくなり、コンサルタントとしても、あとは「死ぬことだけは思いとどまってほしい!」と祈るしかない場合があるとのこと。
 そんな時、しばらくなんとかして頑張っているうちに、潮目が変わって業績が好転してくることもあるのだというのです。今日の私のケースも、まさにそのような話にあてはまる事例のように思います。私はその社長に伝えました。「ここらで一度、人間ドックに入ってください」と。
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2007年11月06日

そろばん塾開業法

 昨日行われたビジネス交流会でのお話です。相談コーナーに人のよさそうなおじいさんが立ち寄られました。そして「ちょっと教えて欲しいのだが、そろばん塾はどうやって始めればよいか?」と聞くのです。

 とっさに私は、「何か“許認可”は必要だったかな〜」と考えました。が、とくに思い当たりません。しかし、教えるとなると、ご本人はそれなりに“級”か“段”をお持ちなのだろうと思い、そのことを尋ねてみました。
 すると「何も持っていない」と言うのです。続けて、「自分がそろばんができるかどうかは問題ではない。要は、習った生徒ができるようになれば良いのだ」と言います。

 それは一つの理屈ではありますが、今ひとつ釈然としません。そこで「目標としては珠算検定に合格させるなどということではないのですか?」と訊いたところ…「別に検定は目指していない。要は脳のトレーニングになればいい」と言うのです。
 これには少々肩透かしを喰った気分でした。それならば、何もそろばんでなくても良いようにも思います。

 色々、話のやりとりがあった結果わかったことは、そのおじいさんは発明家ではないが、ご自分でオリジナルな講義法などを考えるのが好きなのだということです。それ自体がご自分の脳のトレーニングになっているのかもしれませんが、いくら話していてもビジネスとしての発想が感じられないなと思ったのも無理はない話でした。
 まるでビジネス相談の現場で出会った仙人(?)のようなおじいさんでした。久々に、“笑えそう?”なお話でした。
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2007年10月01日

ブログのペースを落とします

 昨年の10月1日から書き始め、昨日でちょうどまる一年が経過しました。「とにかく毎日書き続けよう」という目標を立てていました。
 基本的内容は、経営相談に関する事柄としたため、中身をボカさざるを得なかったことと、私自身も匿名としたほうが、ブログに登場した事案がどこの企業のことかについて特定されにくいという考えのもとで書いてきました。
 特別、アクセスを稼ぐ工夫を施さずに、どの程度読まれるものなのか、また、毎日それなりの内容を書き続ける労力はいかほどのものなのか、そして、書き続けることによって要領よく書くノウハウが身につくものなのかといったことを知るための“実験”でもありました。

 実はもう一つ、全く性格の異なる“お遊び”のブログも、同時並行で毎日書いておりました。しかしそちらのほうは、7ヶ月続けたところでギブアップしました。
 やってみてつくづく良かったことは、自分自身の勉強になったということ。何しろ文章にして多くの方に見てもらうには、間違ったことは書けません。とくに法律がらみや新しい制度の紹介をする際には、かなり手間隙かかりました。逆にこれは、私自身にとって、かなりの負担になったことも事実です。
 せっかく続けてきたブログですのですぐには止めませんが、今月より、書くペースを大幅に落とそうと思います。

 その理由は、もっとテーマを絞って自分が勉強し、仕事にもつなげたいことがあるからです。そのブログを立ち上げるには、この「笑える相談/笑えない話」を今のまま続けるのはかなり無理があります。
 そこで、2年目に入るにあたり、週一ペースの発行にさせていただきたいと思います。基本的には、週明けの月曜か火曜を目途に発行するつもりです。内容も、企業経営に関する新たな制度の紹介などが多くなると思いますが、ブログタイトルはそのままにしておこうと思います。 
 たまに、面白い話があったときは、週の途中でもスポットで書かせていただくつもりです。毎日楽しみにされていた方がおられた(?)としたら、勝手な話で恐縮ですが、読まれるほうもペースを落としながら、引き続きお付き合い願えればうれしく思います。
posted by のほほん at 23:34| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月26日

ポイントサービス

 一週間ほど前、あるデパ地下で弁当をまとめ買いしました。勉強会での夕食にするためです。その際、「○○カードをお持ちですか?」と問われ、「いいえ」ということでその場は終わりました。いまでは大抵の店で行われているポイントサービスの話です。飛行機の利用ではマイレージサービスと称しておりますが…。
 さて、その話を自宅に帰り家内にしたところ、「今度行くときは私のカードにポイントを貯めてきて」と言われました。
 そして今日、また弁当を買いに先週と同じデパ地下へ行きました。今度は先週とは別のテナントでしたが、やはり「○○カードありますか?」と問われ、家内から預かってきたカードを出してポイントをつけてもらいました。

 実は私には、ポイントサービスで残念な体験があります。ある文具店なのですが、以前は購入するたびにスタンプシールをくれていました。 ところがあるとき、ポイントカードシステムに変わりました。勧められるまま、そのカードを作ってもらったまでは良かったのですが、次回行ったときに、レジではポイントカードのことを何も言われず、自分もうっかりそのまま帰ってきました。あとで気がついたのですが、そのときのポイントは諦めました。
 そしてまたその文具店に行く機会があり、またまたレジでは何も言われません。私は気づいていましたが、大人の男性がいちいちそんなことを言い出すのも気がひけ、結局それっきりになってしまいました。
 個人差はあると思いますが、ある程度の年代の男性ならそんな思いをした経験のある人は結構いるのではないかと思います。

 また私は、ある町の商店街にポイントカードシステムを導入するお手伝いをしたことがあります。商店街組合の幹部は、「何とか加盟店全店がしっかりポイントを発行するようにならないものか」と悩んでいました。そして「先生から皆を説得してほしい」と言うのです。
 やむなく私は商店街の店を個別に回り、一店ずつポイントサービスのことを改めて説明しながら、協力の合意をとりつけるよう努めました。 そうして何とかその商店街でポイントカードシステムが導入できました。私のお手伝いはそこまでです。
 半年くらい経ったころ電話をかけてみると、商店街組合の幹部は「なんとか心配だった店も今のところは協力してくれてます」とのことでした。ところが1年くらい経ったころ、「○○の店で買い物してもポイントをくれない」という話を伝え聞くようになりました。

 このような話は、残念ながらザラにあります。ところが先ほどの某デパ地下では、ポイント発行が徹底されていました。商店街と同様、個々の店は経営者が異なるのですが、全体のマネジメントが徹底されています。
 昔ながらの商店街の弱点は、こんなマネジメント面にも顕著に現れております。今更言うまでもないことですが、集団同士の勝負は、個々の力量もさることながら、チームワーク(マネジメント)が確立しているほうに“点数”が入ります。
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2007年09月25日

マネジメントスタイル

 ある社長から、こんな話を聞かされました。「自分は仕事柄、H社(その業界では全国的に知られた会社です)の営業部隊のやり方を見聞きする機会がある。ある営業所では、3人の部長がいるのだが、そのうちの1人は、業績が上がらない営業マンがいると、その部下と一緒に得意先を回ったり新規開拓しながらとにかく何でもかき集めてきて売上をつくるスタイルでやっている。
 ところが他の2人は、とにかく日々部下の営業マンに檄を飛ばし、逐一売上状況の報告をさせる。自分たちは1歩も外に出ず、本社から電話が入るやすかさず現状を即答し、それなりに出世してきたらしい。
 ひと月が終わり、実績が集計されて最低の売上だった営業マンは、何もせず外を見たまま数時間立たされるという。それが嫌で、営業マンはとにかく死に物狂いで売上を上げに駈けずり回っている」とのこと。

 ここには二通りのマネジメントスタイル(管理の仕方)が示されています。「経営管理論」などの教科書をみると、管理者のリーダーシップスタイルとして“PM理論”というのが出てきたりします。また、組織改革にあたり、管理者の意識・行動変革のために“マネジリアル・グリッド”などが紹介されていたりもします。
 しかし、私はこの社長の話を聞いて、そういった一管理者のマネジメントスタイルの問題というよりは、H社の理念や戦略といった部分に危機感を感じました。その社長のお話を聞いた限りでの印象なので、断定はできませんが、このままでは社長が話されたH社の将来は決して明るくはないと思います。
 「営業所」の話ですから、当然、売上は重要な要素です。しかし3人(正確には1人と2人)の部長のマネジメントスタイルは異なるものの、「とにかく売上を上げなければ…」という部分は共通しているようです。

 もしも本当に、会社の方針がこれしかなかったとすれば、H社の社員はかわいそうな気がします。会社は、もっと戦略的に「将来、こういう状況を目指すので、新たにこういう商品を取り扱おう」とか、「こういう市場を開拓するためにこういう情報を集めて報告せよ」その結果を受けて「○○社と提携し、こういう展開に切り替えてゆくぞ」といった指示を出す必要があります。
 現場の部長はそれを更に噛み砕いて営業マンに伝え、足元の売上を固めながらも、将来の顧客作りを進めなければなりません。
 そうした方向付けがなされた上で、さらに各部長のマネジメントスタイルが効果を発揮するのであればよいのですが、どうもH社の場合、そんな印象は感じられませんでした。 
 その話をしてくれた社長曰く、「自分は、あんな会社にはしたくないと思う。社員に夢が感じられないのではないかと思う」とのこと。その話を聞いて、心強く思いながら帰ってきたのでした。
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2007年09月24日

レジストリの掃除

 連休を利用して、古いパソコンの中を大掃除しました。6年半前に購入したB5ノートパソコンなのですが、もう少し頑張ってもらうためにハードディスクをフォーマットし、OSのインストールからやり直したわけです。
 ただ、マシンのスペック上、WindowsXPにするには動作が重くなりそうと考え、元通り、Win2000を入れました。Win2000は既にマイクロソフト社のサポート対象外ではあるものの、今ならまだ同社のUpdateサイトからサービスパックプログラムなどを取り込むことができるからです。

 ところが一つ問題がありました。インターネットを見るためのブラウザ(Internet Explorer=IE)は、「IE7を入れろ」という指示がされます。私としては、一つ前のIE6で済ませたかった…。
 パソコンをよく使われる方はお分かりでしょうが、最新のものは不具合が発生しやすいですし、機能が豊富になっている分、古い、性能の低いパソコンではきびきび動かすのに支障が出ます。
 他社製のブラウザを使う手もあるのですが、訳あってIEを使ってきました。そこでネットで調べてみると…IE6のDownload方法を書いてくれているブログを見つけ、インストールできました。

 今回のように古いパソコンを全面的にメンテナンスするときは「どうせなら…」と、つい欲が出てしまいます。OS以外にもプリンタその他各種のドライバ(ソフト)を入れる必要がありますが、これまた最新のものが出ていないか探しまくり、取り揃えました。
 WORDやEXCELといったアプリケーションソフトも、普段、最新のものを使っているわけではありません。手元にあるCDからインストールしたあとメーカーのサイトに行き、その後提供された部分修正ソフト(パッチ)を適用する必要があります。
 またハードディスクのフォーマット前に、大事なデータは全て他のパソコンに退避させなければならず、これら一連の作業にはかなりの時間がかかります。

 ところで、またまた「どうせなら…」という気持ちが起こりました。パソコンの動作が重くなる原因として、ハードディスクに不要な情報が溜まっているばかりか、中が散らかりっぱなしになっていることがよく指摘されます。
 今回はハードディスクをフォーマットしたので、かなり解消できたものの、それでも過去にインストールしたり削除したりした際のゴミファイルが「レジストリ」と言われるところに溜まったままになっております。
 レジストリは、下手にいじると致命的な事態となることから、これまでは触らずにおりました。しかし今回は、もともとフォーマットしてデータは全て消えてますし、古いパソコンということもあり、レジストリの不要ファイルを掃除してみようと思い立ちました。

 先日たまたま立ち読みしたパソコン雑誌に、レジストリをクリーニングするフリーソフトのことが紹介されていたのをメモしておりました。
 ネットで検索したところ、それよりももっと性能のよさそうなソフトを紹介している記事を見つけました。「Wise Registry Cleaner2」という外国製のフリーソフトなのですが、日本語化もできるとのこと。
 早速Downloadして試してみると、実に簡単でした。それにしても、ものすごい量の不要ファイルが出てきたのにはびっくりです。終わったあとは、秋晴れの空のようにスッキリさわやかな気分になれました。
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2007年09月23日

レラカムイ

 「レラカムイ」…レラは風、カムイは神、アイヌ語で“風の神”という意味になります。何のことか…道内の方は知っているでしょうが、北海道初のプロバスケットボールチームの名前です。正式には「レラカムイ北海道」だそうです。バスケットボールのスピード感をイメージしたネーミングのようです。

 サッカーの「コンサドーレ札幌」ができ、プロ野球がやってきて「北海道日本ハムファイターズ」ができ、昨年はリーグ優勝と日本シリーズ制覇を成し遂げました。その前の駒澤大学苫小牧高校の甲子園二連覇などと相まって、景気が悪いと嘆き声も聞こえた道民の間に、大いに元気を与えてくれたものでした。
 そしてこの度、三つ目のプロスポーツ球団として、バスケットボールチーム「レラカムイ北海道」がスタートしました。昨日は、初の試合があり、昨年のリーグ王者であるトヨタ自動車チームに86対97で惜敗しました。

 ところで、プロスポーツはどの程度で採算がとれるのでしょうか? 普段、プロ球団などと経営の話をしたことがないためよくわかりません。が、先日「レラカムイ」の水沢佳寿子社長のインタビュー記事を見かけました。
 それによると、「観客入場者数5000人あれば十分ではないか」というような話だったように記憶しております。コンサドーレが約2万人、日ハムが4万人というのが、札幌ドームでの大雑把な目安のようですので、5000人というのは随分ハードルが低いようにも感じます。
 しかし、バスケットをそんなに見に来る人がいるのだろうか?と正直、心配にもなります。

 ところが水沢社長曰く、「バスケットはサッカーや野球と違い、学校の体育で必修の競技種目となっているため、経験したことがない人はいない」とのこと。
 また、「全国どこでも体育館にはバスケットボールのコートがあるので、場所を選べず開催できる。5人いればチームはできるし、特別な道具も要らないので普及しやすい。だから、ちょっと工夫して面白くやれば、すぐ盛り上がるのではないか」といったような話だったと思います。
 言われてみれば、「なるほど」とも思います。見るだけではなく、見ていた人もその気になれば比較的簡単に取り組めそうなので、案外広がるのは速いかもしれませんね。
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2007年09月22日

共生社会

 明日は彼岸の中日。昔お世話になった親戚の家へ挨拶に行こうと考え、電話をしてみました。すると、「明日も明後日も1日中不在」との返事。
 電話の相手は、視力を失いながらも一人暮らしをしている女性です。数年前に夫を癌で失いました。娘さんが近くに嫁いでいるとはいえ、傍からみれば生活上不自由に感じることも多いのではないかと気になります。
 ところがご本人は、明日・明後日は列車で札幌に行くとのこと。実は視力を失いしばらくしてから卓球を始めていたのです。そして、明日は札幌で障害者が行う卓球の全道大会に出場するのだそうです。

 以前に、「目が見えないのにどうして卓球の玉を打ち合えるのか?」と尋ねたことがありました。卓球の玉に小さな金属片が入っており、玉が弾んだときに出る音で、玉の位置がわかるとのことでした。彼女はまた、大正琴のサークルにも入っていて、「日曜日は結構忙しい」と言います。
 自分は視力を失っているばかりか、60代前半で夫にも癌で先立たれたにも関わらず、このように元気に外出されていることが、周囲の私などには心理的に救いとなっております。
 白い杖を突きながら地下鉄の階段を昇り降りする人。手話で話をする人々。車いすでテニスをする人などを見るにつけ、健常者にはできない障害者の能力の発揮に驚きを隠せません。

 先日も、相談窓口に障害を持った方が「自ら開業したい」と言って来られました。「障害者を雇用したら助成金がでると聞いたが…」と相談に来る人は多いのですが、障害者自ら事業を起こす相談は、初めてでした。
 しかし、ハードルは決して低くはありません。ただ、上で述べたように、健常者にはない顕在化された能力もあるわけですから、これをどのように活かすかを考えることが大事だと思います。
 障害のある・なしにかかわらず,誰もが社会の一員としてお互いを尊重し、支え合って暮らす社会を「共生社会」と呼んでおります。そして、国や地方公共団体では、この「共生社会」の考え方に基づいた環境作りを進めていますが、健常者の側も、もっともっとこうした取り組みへの理解を深め、行動する必要がありそうです。
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2007年09月21日

「壊れ上手」な家電

 「”壊れ上手”な家電品をつくれ」というタイトルに目を引かれ、思わずクリックしてしまいました。そこには、次のように書かれていました。
<以下、引用>
 扇風機事故で世の中には「長持ち」をいさめる空気が強い。火災・死亡事故を起こした製品は製造時期が30年以上前。それなら事故が起きて当たり前という見方が支配的だ。
 しかし、「もったいない」精神で大事に使い続けたことを褒めもせず、被災者に責任ありとしてこの問題片づけていいのだろうか。事故は製品がなまじ動くから起きた。動かなかったら被災者も修理したり買い換えたりして事故に合わなかったに違いない。事故は製品が壊れ下手だったゆえに起きたと言えなくもない。
<引用終わり>

 この記事では、「…だから、“壊れ上手”な家電をつくるのが、最善の解決策である…という主張のようでした。(下記より引用)
http://www.nikkei.co.jp/neteye5/shimizu/index.html
 これは、30年以上前に製造された三洋電機製の扇風機が発火し、2000年以降だけでも23件の火災が発生し、この8月の24件目の火災では足立区の夫婦2人が死亡した事故を受けて書かれたようです。
 初めは苦笑しながら読んでいたのですが、読み進むうちにだんだんと納得させられた次第です。
 実は我が家にも同社製で同じくらい古い扇風機があるのです。今年の夏は暑く、エアコンのない我が家ではこの扇風機に活躍してもらっていました。幸い、今のところ発火はしていませんが、他人事ではない気がしたのは言うまでもありません。

 「もったいない」という日本語は、ケニア出身のノーベル平和賞受賞者ワンガリ・マータイ氏が2年ほど前に、世界中に普及を呼びかけているとして話題となったことがあります。
 まさに我が家でも、「まだちゃんと動くから捨てるのは“もったいない”」との漠然とした思いがあり、使い続けていたわけです。
 しかし、この記事の“壊れ上手”という意味は、微妙に意味は異なるものの、マーケティングでいうところの「計画的陳腐化」に通じるものがあります。
 家電で、私には思い当たるフシがあります。某社製の家電は、質の高さでは世界的にも定評があり、私も幾種類か購入したことがありました。しかし、数年経つと自然と調子が悪くなり、想像していた時期よりも早めに買い換える必要に迫られました。
 あとで友人らに話すと「自分もそんな体験をした」とのこと。その割には、世間的にクレーム問題になったという噂を聞かないのが不思議でした。“壊れ上手”だったということなのでしょう。
posted by のほほん at 23:46| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月20日

鹿とオオカミ

 以前に、「鹿が列車に衝突しないように、レールに鹿の嫌がるライオンの糞を撒く」という話を紹介したことがありました。
 また7月には、「知床が危ない」と名づけ、エゾシカから樹木を守ろうとしている話を書きました。ほかにも、道東を中心に、エゾシカの肉をハンバーグ等に加工して、特産品として売り出している話も書いた記憶があります。

 ところで、増えすぎたエゾシカを駆除するにも、様々な問題が絡みます。自然保護や動物愛護を提唱する人々からは、反対論も出ています。 しかし、先ほど書いたように、列車や自動車との衝突事故の頻発や、農家が育てている農作物が食い荒らされる被害も見過ごせません。
 駆除するにしても、ハンターの高齢化が進んでおり、人手が足りないという問題もあるようです。

 今日たまたま立ち読みした道内発行の雑誌に、「オオカミを輸入するなどして鹿の増殖をコントロールしてはどうか?」という話があると紹介されていました。「食物連鎖」の活用ということです。
 これを提唱しているのは、「日本オオカミ協会」とのことです。そんな団体があったのか!と、驚きました。ほんとうに色んな団体があるものですね。
 早速ネットで検索してみると、ありました。ご興味ある方は、下記をどうぞ。
日本オオカミ協会→http://www.japan-wolf.org/

 ついでながら、話は全く飛躍しますが、「オオカミの桃」をご存知でしょうか。これは北海道鷹栖町で造られている“完熟トマトジュース”の商品名です。
 旭川市の隣に位置する町ですが、昔、“一村一品運動”という政策があり、これにあわせて売り出したところ大変な人気となったと記憶しております。
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2007年09月19日

地方経営者のホンネ

 「だからダメなんだよ!」。窓口相談で言われたことです。声の主は、札幌から車で3時間くらい離れた地域で中小企業を営んでいる2代目経営者でした。
 今朝、窓口に行くと、1枚のFAXが届いておりました。相談したい内容がぎっしりと書かれておりました。9時には相談に来られるとのことでしたので、相談事項のポイントに関する資料を大急ぎでインターネットからダウンロードし、ご本人の到着を待ちました。

 9時きっかりに入ってこられ、あいさつもそこそこに用件を話し始めました。最初は要領を得ない部分もありましたが、なんとか言わんとすることが理解でき、それに対する答えをお伝えしました。ポイントは二つありましたが、二つとも、その会社の事業の進捗状況から考えて、今すぐどうこうできるものではありませんでした。

 そこで、さらにその先に関連が出てくるであろう支援策についても紹介することにしました。当初FAXに書かれていたのは、主にこの3番目のポイントに関する相談内容でもあったからです。
 もう少し詳細を聞きたいとのことでしたので、別部署にいる専門の担当者にも窓口に来てもらい説明してもらいました。その支援策を利用するにあたっての細かな条件を説明している途中で、「だからダメなんだ!…」との発言が飛び出したのです。

 最近の中小企業支援策では、事前に何がしかの計画を届け出て「認定」を受けた上で、具体的な支援策活用の申込みができる仕組みとなっているものが増えつつあります。
 これに対して、今日相談に来られた社長が言うには、「事前の計画認定がなされれば、その後の支援策利用はフリーパスで使えるようにすべき」ということでした。
 今のやり方では、「手間隙ばかりかかって、ちっとも使い勝手がよくない。ぎりぎりの人数でやっている中小零細企業は、そんな余裕があるわけもなく、せっかくある支援策も最初から諦めざるを得ない気持ちにさせられる。門前払い同然の対応の仕方である。」と言いたいようでした。

 その会社は、今年度、ある支援策に応募し採択されたそうです。きっと大変な努力の末に採択を勝ち取ったのだと思います。今は、どんな企業が採択されたかについては、当該役所のホームページで公表されるようになっています。
 社長は「採択結果を見ると、支援策など受けなくてもやっていけると思われる札幌の中堅以上の企業ばかりが採択され、ほんとうに支援が必要な、自分らのような地方の企業は、入り口段階でふるいにかけられたも同然の感じを受ける」と言いました。

 事実、この社長が感じたとおりの意図がないとは断言できない気もします。こういう言い方をすると申し訳ないのですが、以前に「行政関係者の嘆き」ということを2度ほど紹介したことがあり、行政関係者もまた逆の立場で「中小零細企業の皆さん、税金を使う以上、せめて計画は自力で作り、数値の説明もできるようになってね」という思いがあります。
 両者の間に入ってコーディネートするのが私の役目でもあるのですが、思わず出た今日の社長のホンネも理解できるだけに、「私自身もしっかりお役立ちしなければ」と意を新たにさせられた出来事でした。
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2007年09月18日

新聞記者の疑問

 とある新聞記者と話す機会がありました。その記者は、福祉や介護分野を中心に情報を収集しては記事にすることが担当になっているとのこと。この1年間だけでも随分たくさんの介護施設等に取材に行き、経営者とお話したそうです。その結果、素朴な疑問があるのだと言います。

 ある認知症高齢者グループホームを取材したときのこと。それはそれは、いかにも“介護サービスとはこのようなものだ”というお手本のような事例だったそうです。
 「このようなかたちで引き合いに出すのは適切とは言えないかもしれないが…」と前置きして彼が言うには、「一言で言うならば、コムスンとは対極にある経営といえばイメージがつくでしょうか?」と説明するのでした。
 
 ある地方都市でのグループホームの話なのですが、ご夫婦で始められ、最初は自己資金もあまりなかったことから、築30年ほどの古いアパートを手に入れ全面改装してスタートしました。
 テーブルや椅子なども使い古しの物を譲り受け、あり合わせの物でなんとか入居者を受け入れたそうです。1ユニット9名の入居者と職員の垣根のない会話があり、昔の大家族時代を彷彿とさせる懐かしさを覚えるホームだったようです。

 ところが5年も経った頃、そのグループホームを運営していた人は同じ町の少し離れた場所に新たなグループホームを建て始めたというのです。
 その記者は言います。「何故みんな、経営は厳しいと言いながらも、2軒目、3軒目と増やして行くのかがわからない」と。記者は、先ほどのグループホーム経営者に尋ねてみたそうです。すると「2軒目のホームは、自分の理想とする夢を形にしたものだ」との答えが返ってきたそうです。

 記者から見ると、「1軒目こそ、グループホームのモデルではないか」と思っていたのに、やはり「1軒より2軒にしたほうが儲かりやすいからだろうか?」という素朴な疑問が今も残っていると言います。
 先ほどの経営者には繰り返し尋ねてみたものの、採算面の話はついに聞くことができなかったと言っておりました。そして、同様のケースが結構あちこちで目につくと言うのです。

 この話を聞いて、私にはその経営者の気持ちがわかる気がします。正直言って、1ユニット9名だけの経営では、ほとんどゆとりはないはずです。もちろん、今はなんとか収支のバランスがとれているのかもしれません。しかし、今や築40年にもならんとする建物は、全面改装したとは言え、いずれまたかなりの修繕が必要となる可能性があります。
 今入居されている方も、ますます年齢を重ね、要介護度も重くなっていくことでしょう。そのときに対応できるようにしておくには、今のまま何もせずにはおれないからです。職員の給料も上げる必要が出てくるでしょうし、逆に、介護報酬の単価が上がる保証はどこにもないのです。

 今は亡きP・F・ドラッカー氏もその著書『現代の経営』のなかで、「…いかなる事業においても、問題の核心は最大利潤にあるのではなく、むしろ、経済活動に伴う危険性を負担し、その損失を回避するに足るだけの利潤をあげうるにはどうしたらよいかという点にある…。」と述べておられます。(6月7日当ブログ“儲けることはいけないか?”参照)
posted by のほほん at 23:49| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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