2007年08月23日

大きいことは良いことか?

 三越と伊勢丹の経営統合が正式に発表されました。
<以下、引用。2007年08月23日21時00分asahi.comより> 
 百貨店業界4位の三越と同5位の伊勢丹は23日、来年4月1日に持ち株会社を設立して経営統合する、と正式に発表した。売上高の合計は1兆5859億円(06年度)で、百貨店としては国内最大。「世界随一の小売りサービス業グループ」を目標に統合5年で営業利益率5%と、現在の伊勢丹(4.1%)を上回る高収益体質を目指す。
 両社は23日に取締役会を開き、持ち株会社「三越伊勢丹ホールディングス(HD)」(本社、東京・銀座)の設立や、統合比率「伊勢丹1に対して三越0.34」などを正式に決めた。三越と伊勢丹は事業子会社としてHD傘下に入り、店名や本店は現状のまま残す。
<引用終わり>
 
 こうしたニュースは、新聞各紙やテレビ等で何度か伝えられてきましたが、素朴な疑問を持ちました。
 昔、「大きなことはいいことだ」と言われた時代がありました。しかし、今も本当にそうなのか?と思うのです。とくに百貨店の場合はそう感じます。百貨店の凋落が伝えられてずいぶんと経ちますが、小売市場を広く見渡すと「低迷して当然」と考えられることが多々あり、既に各方面から指摘されていることです。私も以前にこのブログで少し触れたこともありました(6月30日、7月8日)。
 そもそも、百貨店という業態そのものが限界に来ているわけで、「生き残る」ためには統合して“大きくなる”しかなかったとも言えます。

 夜のテレビニュースでも報じていましたが、「統合することにより集中仕入れによるコストダウンを図り、利益率を高める」とのことです。
 よくある話です。私が関わっている中小企業のメーカーや卸売業者は、超大手小売業と取引しているところは皆“泣きながら”つきあっています。納入価の厳しい切り下げを求められた挙句、流通センターフィーやリベートを要求されるからです。
 かと言って、取引をやめるわけにはいきません。“残るも地獄、去るも地獄”です。「それはそのメーカーや卸売業者がそうすることを選んだからだ」と言ってしまえばそれまでですが、最近のグローバル競争社会を見ていると、「ちょっと行き過ぎている」ように思えてなりません。
 もちろん、国によって事情は異なりますが、日本の場合、少子高齢化・人口減がどんどん進むことが明らかである今、これからも大規模化、大量集中仕入れ…で良いのかどうか?

<以下、引用。2007年8月17日13時50分 YOMIURI ONLINEより>
 三越と伊勢丹が統合すると、連結売上高の合計は1兆5000億円を超え、国内最大の百貨店グループとなる。富裕層や法人に強い三越と、ファッション性の高さで若者に人気がある伊勢丹は、主要な顧客層に重複が少なく、補完関係にある。店舗網も、全国の主要都市に出店している三越と、首都圏に集中している伊勢丹は、商圏を補えるメリットがある。収益性の高い伊勢丹の業務手法や独自の商品・顧客情報管理システムを導入することで、業績が低迷している三越の収益回復を図る狙いもある。
<引用終わり>
 
 この記事にあるように、三越と伊勢丹では客層が明らかに異なります。と、いうことは、品揃え・仕入れ内容も異なるということです。つまり、同じような商品を2社分まとめて仕入れることにはならないはず。
 にもかかわらず、統合することによってイメージされる強大なバイイングパワーをちらつかせて仕入先を泣かせることになりやしないか?と心配になります。
 また、「売れるはず」と思って大量に作らせるようなことがあり、その当てがはずれたりしようものなら、それこそ世のなかに“ゴミ”をばらまくことにさえなりかねません。
 百貨店に限りませんが、“大きなこと”は地球環境にとって優しいことなのかどうか?よく考えてみる必要がありそうです。


posted by のほほん at 22:49| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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