2007年07月28日

21世紀は「和道」の時代

 昨日の、『戦わない経営』を読んで思い出したことがあります。それは、大和信春(やまとのぶはる)氏が提唱する「和道(わどう)」ということです。18年前に出会いました。

<以下、引用> ここでは(略)の代わりに(…)を用いました>
 日本の和の文化の本質を分析すると、一種のしたたかな知恵の体系に出会う。それは、王道、覇道に対する、第三の政道ととらえるに足るものを備えている。そこで、私はこれを「和道」と呼ぶことにしたのである。
…「王道」は、儒家が理想とした、仁徳を本(もと)とする王者の政道である。…王道は、実は内部性・同質性を前提とする秩序形成の道である。(したがって)…外敵の割拠する互奪的環境では通用し難い。(そのため)…早くから廃れ、以後は専ら覇道が主流となった。
…「覇道」はもともと、武力・権謀を用いて国を治める、覇者の政道を言う。…覇道は言い替えれば、相互異質の前提に立った異質排除の思想である。(つまり)…覇権はただ一者のみのものであり、常に覇者とならなかった者によってねらわれる運命にある。

…現在人類が迫られているパラダイムシフトは、覇道から和道への転換だと表現できる。
「和道」は、廃れた王道、行き詰まった覇道を越えて人類が到達した基本文化である。日本という地域のローカル文化にとどめるべきものではなく、普遍性・先進性をもった、人類的な遺産ととらえることができる。
 和道文化圏では「和」を安定性、恒久性のある、非特殊な状態ととらえる。また、和道では、この世の成り立ちは互恵が基本であると考える。従来の覇道的な「この世は競争」という観念の有害・不毛性を指摘する立場でもある。…つまり、有限世界で共存を宿命とする場合、「和」は最適解となる。

…和道は、全体の調和を指向し、異質共存の知恵を力とする。また和道は、和力の裏付けと、それを効果的に発揮させるための和略によって実践される。
…「和の文化」と表現したのは、単に思想にとどまらず、実践の知恵を持っていること、さらに、教養ある層には広く、武士から商人に至るまで、根をおろし普及していたと思われるからである。
…家康は恐らく世界で初めて政道としての「和」の処方を確立した人物である。道徳的規範としてではなく、現実を処理する政道としてである点が重要である。…家康は全国を徳川領にできなかったのではなく、しなかったのである。
 家康は、天下を平らげる過程において戦略ならぬ和略と言える策を多用した。さらに、相争う事が当事者のマイナスになる枠組みを築いて天下を治めようとした。
…「和略」は、“戦わずして勝つ”最上の戦略(覇略)に勝る経済性をもつことができる。日本で非競争的な理念に基づく経営が、したたかに成功をおさめている例もある。

…和道の話は現実錯誤的な平和主義との先入観をもたれやすい。「危害にあっても戦うなというのか」という類の疑問はそうした誤解から出る。…しかし、和道は「和力」と呼ぶ一種の実力を行使する。それは、文字どおり和をつくるための諸々の能力や資源力のことであるが、いわゆる武力・戦力とは別の「力」の概念である。
…和道を思想として分類しようとする人の多くが、「力(武力)」を否定するのか肯定するのか確定したがるかもしれない。しかし、それは和道の根本にかかわる次元ではないことを再度強調しておく。肯定するのは「和力」であって「無力」ではないことも同様である。 

 和道は相互依存のすすめとも異なる。…和道では互いに自立しつつ役立ち合い大事にし合う関係の構築を主に考える。和道は特定の思想家の所説ではない。和道は日本文化の貴重なる果実といえる。私(大和氏)個人は、和の知恵を実学的に整理し、呼び名は提案したが、創造したのではない。
…日本には和道という言葉は知らないでも、和道的な対処のできる人は少なくない。「この世は競争だ」という“常識”に、敢然と立ち向かえるだけの実践力を備えた、日本精神の継承者は、すべて和道の担い手である。
<引用終わり>

 長くなりましたが、大和信春氏の著書『和の実学』からの引用でした。まさに現在の人類のために書かれた「処方箋」とも言えましょう。ご希望の方は、成人要目研究所まで。
http://www.mmm.ne.jp/jiritu/bookvideo/contents.html


posted by のほほん at 23:47| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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