2009年01月02日

少人数私募債

 銀行借入による資金調達をしようにも、貸し渋りなどで希望通りの金額を調達できない場合があります。そのような中、増資や社債発行といった“直接金融”による資金調達を考える企業もあると思います。
 新年にあたり、中小企業に適している「少人数私募債」の発行についてご紹介します。

@少人数私募債とその発行要件
 私募債には「プロ私募債」「特定投資家私募債」「少人数私募債」の3種類があります。少人数私募債を発行するには、次の要件を満たす必要があります。
 a. 株式会社、特例有限会社、合同会社、合名会社、合資会社、その  他特別な法律により債券を発行可能な法人であること
 b.募集対象は縁故者や取引先等49名(法人も可)までとし、機関投資  家(証券会社、銀行等)を含めないこと
 c.社債一口の最低額が発行総額の50分の1を超えていること
 d.一括譲渡以外の譲渡制限・分割禁止の規定を設けること

A少人数私募債のメリット/デメリット
 a.物的担保がなくとも、信用があれば発行できる
 b.償還期間(通常2年〜5年)と社債利息の利率を自由に決められる
 c.通常、償還時に一括返済のため、満期時まで全額を利用できる
 d.社債利息は通常、半年ないし1年に1回の後払いで、株主配当とは異  なり損金扱い
 e.公募債とは異なり財務局への届出は不要。社債券の発行義務もなし
 f.社債管理会社(銀行・信託会社等)の設置義務がなく、管理手数料   等も不要
 g.株式とは異なり、経営権への影響が生じない
 h.募集対象者に制約がある
 i.通常、社債管理会社を設置しないため、自社に管理事務負担が生じ   る
 j.応募に際し詳細な会社情報の開示を要求され、資金調達に時間がか   かることもある
 k.満期償還時に多額の資金が必要となる

B発行手続きの概要
 a.取締役会等で社債発行を決議
 b.募集要項の作成
 c.社債申込証を作成し、募集対象者へ引き受けを依頼
 d.募集決定通知書を作成し、応募者へ払い込みを依頼
 e.入金を確認し、社債払込金預り証を発行
 f.社債券・利札の発行(印刷代・収入印紙代・社債券紛失リスクを考   慮し不発行も可)
 g.社債原簿の作成

 なお、「募集対象49名まで」とは、勧誘数が49名以下ということです。50名以上に募集をかけると「公募」となってしまうので注意してください。
 また、償還期間と利率が同条件のものを複数回発行してかまわないが、それが6ヶ月以内なら勧誘は累計で49名以下に制限されます。
 平成15年1月の証券取引法施行令の改正に伴い、適格機関投資家250人に対する勧誘もできるようになったが、実務上は、監査法人等の財務調査や指定格付機関による格付けを求められるため、やはり49名未満とするほうがハードルは低いと言えそうです。
 さらに、募集総額が1億円以上の場合、譲渡制限等の告知義務がでてきますし、募集に際し担保をつけると、少人数私募債といえども社債管理会社の設置が必要となりますので注意が必要です。


posted by のほほん at 22:45| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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