3社の社長が集まって、共同で設立した会社なのに、肝心の、この会社の社長は来ておりません。それぞれが、別に自分の会社を経営していることから、この会社の社長は、別に経営している本来の自分の会社が「忙しくて来れない」とのこと。呆れました。
そして、決算書を見て驚きました。製造業なのに、製造原価がありません。それどころか、損益計算書には売上原価もないのです。売上=売上総利益なのです。
「どうしてこうなっているのか?」私は経営陣に聞きました。「税理士にお任せしており、よく分からないのです」と、某役員。
聞けば、税務署を退職して開業された税理士さんにみてもらっているとのことでした。それにしても・・・ちょっとこの決算書の作り方はひどすぎやしませんか。税務申告さえできればよいと言わんばかりの作り方です。実は、ほかの企業の決算書でも、ごく稀にですが似たようなケースに出合います。
悪いことに、今回のケースもそうなのですが、そもそも経営者自身が決算書に無頓着で、税理士さん任せなのです。
黙っていても儲かった時代は、それでも良かったのかもしれません。しかし、今は、とてもそんな時代ではありません。税務会計以外に管理会計で経営をコントロールしていかなければならないのは当然です。そのあたりの認識が欠落しているケースによく出合います。そのほとんどは、資金繰り管理ができておらず、「借りられなくて、困った!」と言ってきます。「もっとレベルの高い相談に乗りたいものだ・・・」内心、ボヤいてしまいました。
【関連する記事】