2009年01月30日

あるリストラ

 札幌の老舗百貨店が民事再生法の適用を札幌地裁に申請し、手続き開始の決定を受けたとの報道がありました。99年と05年に次いで3度目の経営再建の取り組みであり、過去2回は私的整理だったのに対し、今回は法的整理手続きとなります。 
 さて、今日のブログテーマは、この百貨店のことではありませんが、言わずと知れた「人員削減」のお話です。「リストラ(restructuring
)」は、本来、事業再構築の意味ですが、日本では人員削減のことを一般的にリストラと呼ぶことが多く、このほうが分かりやすいかと思い、このタイトルにしました。

 もう十年近くも以前の話になると思います。以前から交流のあった社長が「やむを得ずリストラをした」と、話してくれたことがありました。それを聞いて私は少し驚くとともに、感心した記憶があります。
 現存する会社でもあり、業界を明らかにするとその業界の方がこのブログをみたら会社が特定されるかもしれないので伏せますが、社会的には3Kのような職場と言われる類の業界の会社でした。
 その社長は、リストラするにあたり、悩んだ挙句、優秀と思われる社員から順番に「辞めてもらえないか」と打診したそうです。社長曰く、「優秀な人材は、ウチを辞めても、どこかで使ってもらえるはず。しかし、そうではない人は、ウチを辞めるとどこにも働き口が見つからないかもしれない。だからそうさせてもらった。」とのこと。普通は、そうしませんよね。優秀な人材は自社に残し、そうではない人を辞めさせるのが一般的だと思います。この話を聞いて、私は胸が熱くなりました。今日、百貨店の法的整理の話題に接し、この話を思い出したのでした。

 その社長の話には続きがあります。リストラしてひと月もたった頃、またその社長に会う機会がありました。そのときに聞かされた言葉は、次のようなものでした。
「その後、どうなるかと自分でも心配だったが、なんとかやれている。辞めてもらった人たちはその後それぞれ勤め先が見つかった。後に残った社員のほうは、辞めさせられないで済んだ自分たちが頑張らなければ、辞めて行った人たちに顔向けならないと考え、発奮した。それで、今なんとかやれているんだよ」。
 この話を思い出し、またしても熱いものがこみ上げて来ました。
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2009年01月23日

資金調達泣き笑い

 昨年暮れから、資金調達の相談結果で異変が続いていました。ここで、過去形で書いたのは妥当ではないのでしょうが、少し落ち着きが出てきたのかな?という感じを受けているのも事実なのです。
 先日も、昨年から正月を挟んで気を揉んでいた融資案件にOKが出たとの報告を2件受けました。
 そのうちの一つは、ちょっと特殊だったかもしれません。ただ、場合によっては誰かの参考になるかも知れないと思い、書いてみたいと思います。

 その社長は、開業して2年半くらいになりますが、一つの会社で小売業とサービス業(あまり具体的に書けないのは残念ですが・・・)を立ち上げております。3年前にまずサービス業を立ち上げ、半年後くらいに小売業も始めました。サービス業のほうは“啼かず飛ばず”の状態が今でも続いております。小売業のほうはほぼ予定通り軌道に乗り、黒字化しました。そして今回、第三の事業を加えるべく融資申込みを行っていたのでした。
 しかし、開業当初から面倒をみてくれていた某銀行に融資を断られました。事前に根回しはしてきていたのですが、昨年12月に融資申込みをした直後に担当者が代わり、年明けに新たな担当からなされた回答は「NO」だったのです。

 その社長は怒りました。それまでの対応から、一気に掌を返したような物言いに憤慨し、「口座はすべて別の銀行に移す!」と言い残して帰ってきたとのこと。
 そして翌日、別な用で近くのビルに出かけた際に、偶然に見かけたある信金の看板。何とはなしにその支店に入ってみたそうです。すると、これまた変な話ですが、その信金の職員から「どうしてここへ来られたのですか?」と訊かれたとのこと。
 社長は、「いや、そのぅ、看板を見かけたので入ってみた。ここは銀行でしょ?お金も貸しているんでしょ?」と言ったそうです。この話だけ聞くと、確かに変な会話と思われるでしょうが、それもそのはず、その信金の店は、あるビルの4階に入っていたのだそうです。ノンバンクならいざ知らず、一般の銀行や信金は普通、1階に入り口のある店が当たり前ですから無理もありません。
 また、信金職員の「どうして・・・?」という問いかけにも訳がありました。その信金は、実は地方から札幌に始めて出店し、しかもまだオープンして間がないうえに4階にあることから、一般にはまったく知られていないと自覚していました。むしろわざわざ来られたことに驚いているくらいだったわけです。この話を聞いて私も思わず笑ってしまいました。

 それはともかく、結果としてこの社長は、その信金からすんなりと500万円を借りる話が決まったというのです。その信金職員は、それはそれは親切で、一生懸命対応してくれたとのこと。まさに、「捨てる神あれば拾う神あり」といったところでしょうか。
 今回の話は、偶然が重なったと言って片付けることもできますが、やはり、社長たるもの、資金調達に限らず何事も諦めずに努力すべしという教訓になる話だと思うのです。
posted by のほほん at 23:51| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月15日

困ったお客

 昨年の暮れ近くのお話です。相談窓口に受付嬢から一人のお客様を案内されました。
 まずは「挨拶を」と思い、名刺を用意してタイミングを計っていたところ、その方は荷物を隣の席に置き、コートを脱いだところで、「お手洗い貸して」と言いました。
 生理現象は最優先と思い、名刺交換は後回しにして、用を済ませていただきました。さて、お手洗いから戻ってくるなり、「自分は小さな店を始めたが、調子がよいので2店舗目を考えている・・・」と切り出しました。そして「先生も是非一度、食べにきてください」と言うのです。どこの誰・・・とも名乗られないので、ともかく名刺をくださるよう促し、なんとかお名前や店の在り処はわかりました。しかし、どうも話がかみ合わないので、「どのようなご相談でしょうか?」とお尋ねしました。

 すると・・・「いや・・・大して相談することはない。店はうまく行っているし、2店目の目星もついている。ただ、もっとPRしたいと思って来た・・・」というのです。
 その後も、ほとんど一方的にまくし立てられました。「実は長年保険の外交をしていたが、だんだん厳しくなって2年ほど前に夕方からちょっとした居酒屋を始めた。自分がやるならこうしよう・・・というアイデアもあったので、それを実行したらうまく行った」とのこと。私は呆れました。それにしても・・・妙齢の“おばさま”は強い。まったく歯が立ちません。

 その日私は、あとに会議が控えていたこともあり、まだ喋り足りなそうなその方になんとかお引取りいただいたのですが、窓口終了5分前くらいに駆け込んでこられて、相談以外の話で40分近くも付き合わされたのは初めてです。
 今、思い起こしても悪夢を見ているようなありさまでした。「あの人から保険を勧められても、絶対に契約しないぞ!」と心に誓いながら、会議が予定されていた場所に向かったのでした。
posted by のほほん at 17:53| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月08日

補助金審査の自己矛盾

 新年早々の窓口相談で、厳しい指摘を受けました。その方は既に何度も相談に来られていた社長さんですが、なかなか新規性のある取り組みをされています。
 昨年暮れ近くに、ある公的機関から「○○の補助金に該当するので申請しないか」と言われ応募したそうです。
 その後、審査の段階で面接を受けた際に、「この事業のニーズがどの程度あるかマーケット調査はしたか?」と問われたとのこと。補助金の多くはそうなのですが、「新規性はあるか?」「ニーズは高いか?」「本当に売れるのか?」といったことが、審査で問われます。
 審査要件はある程度、補助金の募集要項で示されていますので、社長は信頼のおける周囲の人たちにヒアリング調査をし、その結果を応募用紙に記載して提出していたようです。
 ところが、審査する側は、「それでは客観性が十分とは言えない」「どうしてニーズがある、あるいは売れるはずと言えるのか?」と問い詰めたとのこと。

 そこで社長もカチンときました。と、いうのは、本来、新規性が求められ、場合によっては補助金を活用して開発できた成果に対して特許申請しようという目論見もある案件なのに、「客観性を立証できるほどの不特定多数に詳細を説明して意見をもらうなどの行為をしてしまえば、既に既知の事実とされてしまう。それでは特許として認められない可能性が出てくるではないか。まったく矛盾した話だ」というのが社長の意見でした。そして「そんな都合のよい調査の仕方というのはどのようにやればいいのか教えて欲しいものだ!」と憤慨されたのです。
 誤解を招くといけないので補足すると、ここで“特許”と書きましたが、今回の案件は正確には“意匠登録”に該当するものでした。意匠ですから、具体的に見てもらった途端に既知となるわけで、たちまち新規性が脅かされる案件なのです。

 言われてみれば一理ある話です。そこで私は、ある弁理士さんにその社長を紹介し、特許申請とのからみでそのような調査が影響を与えないものなのかを相談してもらいました。 
 弁理士の答えは、「影響ありそうですね。」とのこと。そしてそのような場合は、救済規定があり、例えば展示会等、実施されたことが証明できるような場において調査を実施したことを付した上で6ヶ月以内に特許申請すれば、“新規性は損なわれなかったものとみなす”というような規定があるとのこと。
 しかし、それはあくまでも例外規定であり、特許の審査官の判断ひとつで却下される可能性は高いというのです。そうなると、社長が心配された通り、下手に調査はできない→調査の裏づけがなければ、補助金の審査は不合格⇔補助金の審査に合格するような調査をした案件は特許はとれない・・・となり、補助金が目指している、「特許をとれるような新規性の高い研究開発などを支援する」という目的は達成できない・・・という話に帰結する可能性が高くなってしまうのです。なんとも矛盾する話と言えそうです。
posted by のほほん at 23:35| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月02日

少人数私募債

 銀行借入による資金調達をしようにも、貸し渋りなどで希望通りの金額を調達できない場合があります。そのような中、増資や社債発行といった“直接金融”による資金調達を考える企業もあると思います。
 新年にあたり、中小企業に適している「少人数私募債」の発行についてご紹介します。

@少人数私募債とその発行要件
 私募債には「プロ私募債」「特定投資家私募債」「少人数私募債」の3種類があります。少人数私募債を発行するには、次の要件を満たす必要があります。
 a. 株式会社、特例有限会社、合同会社、合名会社、合資会社、その  他特別な法律により債券を発行可能な法人であること
 b.募集対象は縁故者や取引先等49名(法人も可)までとし、機関投資  家(証券会社、銀行等)を含めないこと
 c.社債一口の最低額が発行総額の50分の1を超えていること
 d.一括譲渡以外の譲渡制限・分割禁止の規定を設けること

A少人数私募債のメリット/デメリット
 a.物的担保がなくとも、信用があれば発行できる
 b.償還期間(通常2年〜5年)と社債利息の利率を自由に決められる
 c.通常、償還時に一括返済のため、満期時まで全額を利用できる
 d.社債利息は通常、半年ないし1年に1回の後払いで、株主配当とは異  なり損金扱い
 e.公募債とは異なり財務局への届出は不要。社債券の発行義務もなし
 f.社債管理会社(銀行・信託会社等)の設置義務がなく、管理手数料   等も不要
 g.株式とは異なり、経営権への影響が生じない
 h.募集対象者に制約がある
 i.通常、社債管理会社を設置しないため、自社に管理事務負担が生じ   る
 j.応募に際し詳細な会社情報の開示を要求され、資金調達に時間がか   かることもある
 k.満期償還時に多額の資金が必要となる

B発行手続きの概要
 a.取締役会等で社債発行を決議
 b.募集要項の作成
 c.社債申込証を作成し、募集対象者へ引き受けを依頼
 d.募集決定通知書を作成し、応募者へ払い込みを依頼
 e.入金を確認し、社債払込金預り証を発行
 f.社債券・利札の発行(印刷代・収入印紙代・社債券紛失リスクを考   慮し不発行も可)
 g.社債原簿の作成

 なお、「募集対象49名まで」とは、勧誘数が49名以下ということです。50名以上に募集をかけると「公募」となってしまうので注意してください。
 また、償還期間と利率が同条件のものを複数回発行してかまわないが、それが6ヶ月以内なら勧誘は累計で49名以下に制限されます。
 平成15年1月の証券取引法施行令の改正に伴い、適格機関投資家250人に対する勧誘もできるようになったが、実務上は、監査法人等の財務調査や指定格付機関による格付けを求められるため、やはり49名未満とするほうがハードルは低いと言えそうです。
 さらに、募集総額が1億円以上の場合、譲渡制限等の告知義務がでてきますし、募集に際し担保をつけると、少人数私募債といえども社債管理会社の設置が必要となりますので注意が必要です。
posted by のほほん at 22:45| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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