2008年08月06日

本末転倒

 7〜8年もご無沙汰だった企業から連絡が入りました。相談したいことがあるので、一度会社に来てほしいとのことです。ずいぶん久しぶりでもあり、近況も知りたくて、先週出向いてきました。
 その会社は、住宅建築などを手がけている会社でしたが、昨年後半からこの分野は耐震強度の問題で建築確認が遅れ気味などにより低迷していると聞こえていたわりには、会社に元気があるなと感じました。

 さて相談というのは、助成金申請の話です。定年を65歳以上に延長すると助成金がもらえると聞き、検討したいというのでした。
 正確には、「定年引上げ等奨励金」と言い、次の3つで構成されています。
(1)中小企業定年引上げ等奨励金
(2)70歳定年引上げ等モデル企業助成金
(3)中小企業高年齢者雇用確保実現奨励金

 このうち(1)は、65歳以上への定年の引上げ、希望者全員を対象とする70歳以上までの継続雇用制度の導入または定年の定めの廃止を実施した中小企業事業主に対して助成するというものです。引上げ年齢の違いや企業規模などに応じて、20万円から160万円までの金額が助成されます。
 また(2)は、70歳以上まで働くことができる新たな職域の拡大等を行うモデル的な取組を実施した事業主に対して助成するというもので、当該取組に要した費用の2分の1で500万円が上限となっています。
 さらに(3)ですが、これは商工会や組合等が傘下の中小企業事業主に対して高年齢者の確保措置の導入等に関する相談や指導などを実施した場合であり、対象となるのは個別の企業ではなく、事業主団体が助成を受けられるというものです。

 したがって、今回の相談で該当するのは(1)または(2)に関する取組ということなのですが、実際に助成を受けるには就業規則を変更し、定年引上げや継続雇用制度を導入したり、新たな事業分野への進出や職務の設計、高年齢者に配慮した機械設備等の購入などを行う「職域拡大等計画」を作成し認定を受ける必要があります。
 そうした説明をしたところ、「そんなに大変なのか」といった反応が返ってきました。どうやら「助成金がもらえるなら申請してみようか」といった軽い気持ちで相談されたようですが、これはあまりお勧めできません。

 「実際に必要があるから定年を引上げたい」、「長年働いてくれた社員に報いるためにも、希望するならできるだけ長く働ける職場にしたい」という考えがまずあって、「その取組をするのだが、それに要した費用の一部が助成されるなら申請しよう」というのが本来の姿です。
 「助成金がもらえるから定年引上げしよう」というのも、行政としては多少期待するところかもしれませんが、「都合の良い部分だけ取り組み、助成金をもらい、あとは知らない」ということでは本末転倒です。この会社にはそのようなお話をし、さらに検討してもらうよう告げて帰ってきました。


posted by のほほん at 23:12| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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