2008年06月28日

エンドユーザー・コンピューティング

 サーズ(SaaS:Software as a Service)を活用したエンドユーザー・コンピューティング(End User Computing、以下EUCと略記する)が広がるのではないかという予想があるとの話を聞きました。私は、それは一面正しいとも言えるが、それだけではEUCとしては不十分と感じます。
 サーズ(SaaS)とは、ユーザーがソフトウェアの必要な部分だけを利用し、利用した分だけ料金を払えばよいとするサービスで、必要な部分をダウンロードして使う方法と、オンラインでサーバ上で利用する方法とがあるようです。
 一方、EUCですが、この言葉はしばらく“死語”となっていたような印象を個人的には持っております。Windows95が出て1〜2年経ったころに話題になったのではないかと記憶していますが、多少ずれているかもしれません。時期はともかく、個人的にはこの言葉に魅力を感じ、中小企業でそうした側面で成果が現れることを期待もしておりました。
しかし、残念というべきか、コンピュータ業界が横文字を掲げて騒ぎ立てるたびに期待を裏切られてきたことの繰り返しのひとコマだったような気がしております。

 以前にも書いたことがありますが、私自身はコンピュータのプロではなく、たまたま1982年当時、PIPS(ピップス)という、今で言うところのEXCELのようなソフトウェアに出会った影響がとても大きく残っている人間です。
 ですから私のなかでのEUCのイメージは(少し偏っているかもしれませんが)、今で言えば企業現場の一人一人がEXCELを戦略的意思決定に使いこなし、成果を上げている姿と言えます。その視点でSaaSを考えたとき、そこにはやはり少し物足りなさを感じざるをえません。ただ、それはやむを得ないとも理解できます。ここでSaaSの悪口を言うつもりもありません。
 言いたかったことは、なぜ日本では、製造部門以外の生産性が低いと未だに言われるのだろう?ということについてです。アメリカあたりからは、「日本はもっとIT化(事務部門などの?)を進め、生産性をあげるべきだ」という論調があるやに聞いております。
そしてこのことは、当の日本においても「そのとおり」と考えられているフシはあると思います。にもかかわらず…現実はちっとも進んでいない…ように私には見えるのです。

 EUCと言ったとき、その中心的機器はやはりパソコンだろうと思われます。そのパソコンの使い方を変える必要がありそうです。別な言い方をすると、パソコン教室での教え方を変えなければならないような気がします。もちろんこれまでどおり、WORDやEXCELの基本的な使い方を教えることは必要ですが、どうもその段階で止まっているのではないでしょうか。
 それは、コンピュータリテラシーを養う点では一定の成果が認められますが、パソコンを使って成果を上げるには情報リテラシーを身につけさせる教育が必要と言えます。情報リテラシーとしては、インターネットと検索エンジンが発達したおかげで、情報収集についてはかなり進んだのかもしれません。しかし得た情報を評価し、それらを組み合わせて新しい有用な情報を生み出したり、それによって意思決定し戦略的な行動に繋げる部分は、まだまだ課題として残されていると言わざるをえません。
 結局、EUCで成果をあげるには、コンピュータリテラシーに加えて情報リテラシー、そしてそもそも現場でコンピュータを使う本人が、自分の仕事として何をしなければならないか?をよくわかっている必要があるということです。ここをクリアしていかない限り、日本の、とくに事務部門の生産性向上は進まないように思います。
posted by のほほん at 23:53| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月21日

変化と進化のはざま

 岩手・宮城内陸地震が発生してから今朝でちょうど1週間となりました。Asahi.comの報道によれば、死者12人、行方不明者10人、けが人312人、全半壊10棟、一部破損379棟で、311人が避難所暮らしをしており、解除の見通しは立っていないとのことです。先月12日に起きた中国四川省での大地震に続いて、大規模な被害状況が報告されるのをみるにつけ、あることに気付きました。

 それは、「失うものが大きい人は変化を好まない」ということです。もちろん、地震で自宅や職場などを失うような変化を好む人は誰もいないはずで、被災された方々には、ほんとうにお気の毒だと思います。そう述べた舌の根も乾かないうちに次のように述べるのは心苦しくもあるのですが、この「地震による変化」は、一方ではビジネスチャンスになる人もいるということです。

 最近の地震でよく聞かされることは、「地震の空白域だった」ということ。明日はわが身かもしれないと思うのです。すると、「頑張って手に入れた自宅がダメになったら…ローンだけが残るな…」と考えてしまいます。これは、賃貸住宅に住んでいた頃には考えなかったことでしょう。
 つまり、「失うものがない人は、変化を求める」とも言えそうです。そこには、チャンスをつかみたい!との思いが滲み出ています。些細な変化でも見逃さずにチャンスとし、自分の生活や社会環境を豊かにしたいというのは自然な感情でもあります。
 ところが、ある程度豊かになり“持てる者”となったとき、それ以上の変化はともすると、せっかく手に入れたものを失う恐れに転換します。

 バブル崩壊以降、長引いた経済低迷を打破する名目もあり、小泉内閣時代には盛んに「改革」が叫ばれました。そして実際にいくつかの大きな“変化”もありました。その取組みに際しては、既得権益を持っている勢力からの抵抗も少なからずあったようです。そしてこれは人間としての防衛本能によるものでもあります。
 従って、私が上で「気付いた」と述べたことは、大発見でもなんでもなく、以前からそれなりに知られていたことでした。

 にもかかわらず敢えてここで取り上げたのは、「失うものがある人も、変化を求める必要がある」ということを考えたかったからです。変化を求めなければ、個人でも会社でも日常がマンネリ化し、やがては衰退の道を辿るでしょう。
 なかには、“持てる者”がより多くのものを求めて変化を起こす例もないわけではありません。変化を求めると言っても、故意な破壊活動(戦争がこの最たるものとして当てはまる場合もありそうです)が良いとは言えません。いたずらに不幸な人々を生ずることなく、変化させる(…これをここでは“進化”と呼ぶことにします)のが望ましい姿です。

 こう考えてみると、“変化”と“進化”の間には大きな違いがあることに気付きます。“変化”は、どちらかと言えば自分の外側で起こり自分に影響が及ぶというニュアンスが強いのですが、“進化”は、自分が内側から求めなければ起こらないのではないか。そこには何がしかの「動機」や「勇気」が必要です。
 良い意味での変化、つまり“進化”は、「失うものの有無にかかわらず」私たち、とりわけ先進国と言われている国々の人たちが取り組まなければならないことではないでしょうか。
posted by のほほん at 12:24| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月12日

VistaとOffice2007

 先週書こうと思い中断した件で、さらに新たなことがわかりましたので、書くことにしました。
 機会があり、Windows Vistaを試してみました。まだデータは何も入れず、アプリケーションソフトもインストールしていない新しいマシンでしたが、起動などはたいして速く感じません(Core2Duo1.20GHz、メインメモリ2GHのB5ノート) 。PC雑誌などの噂ではXPより遅いという情報があった一方、マイクロソフト社のアピールでは「起動は速くなった」との情報もあり、正直、少しは期待していました。
 しかし、サラの状態のマシンでこの状況であれば、今後アプリケーションソフトを各種インストールし、さらにデータが詰まってくるとどうなることかと考えた挙句、Windows XPにダウングレードしました。恐らく、もっとスペックの高いA4ノートPCなら状況は異なっていたのでしょう。
 せっかくのVistaを使わないことに迷いもありましたが、購入したマシンにプリインストールされていたVista Businessは、XPへのダウングレード権がついており、PCメーカーからはダウングレードを手軽に行えるDVDも提供されていたことから、そうすることにしたのです。

 さて、見た目には大して変わらないVistaでしたが、見た目が大幅に変わったOffice2007をどうするかにも悩みました。「そろそろ慣れておいたほうがいいかな?」との思いも頭をよぎるのですが、どうも購入する踏ん切りがつきません。WORD2007で苦労したことは、10月29日のブログに書いたとおりだったからです。
 そんな矢先、偶然にもある情報を見つけました。それは「マイクロソフト、Office 2007のファイルを旧Officeで編集できるパッチを公開」というものでした。
http://codezine.jp/a/articleprint.aspx?aid=1274 なんと、1年以上も前の情報ではありませんか! これは全く知りませんでした。 これを知っていたら、10月29日のブログは書かなかったかもしれません。

 …というわけで、古いOfficeをインストールし、このパッチを適用しました。そしてプリンターに接続し印刷をしようとしたところで問題発生!
なんと、印刷ができません。ドライバーを入れなおしたり、ファイアウォールにより印刷が妨げられているのかとその設定を見直したものの、まったく動かないのです。
 ついにギブアップして、サービス会社に電話をかけました。すると、「Vistaを使っていませんか?」というのです。「いや、XPです」と答えたものの、ハッと気付き「実はVistaからXPにダウングレードしました」と伝えると、「Vistaの“名残り”が悪さをしているのかもしれません」と言うではありませんか!

 それじゃあ自分には対策のしようがなく、そのサービスマンにきてもらうことになりました。明日以降の対応となりますので、結論はまだわかりませんが、「Vistaのたたり(?)」を思い知らされた気分です。 あの強気のマイクロソフト社が、XPのサポート期間を大幅に延長したのは、同社自身が様々な不都合が残っていることを認識したからに他ならないということを改めて感じた次第です。
posted by のほほん at 18:37| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月06日

個人情報保護と監視社会

 Windows Vistaを試す機会を得たので、久々にITがらみのブログを書こうかと考えていたところ、もっと興味を惹かれた話題に出くわし、急遽このようなタイトルになりました。
 興味を惹かれた話題というのは、昨日配信されたメルマガ「PC Onlineメール」(日経BP社)で見かけた「国民総背番号制の罠、個人情報流出は止められない」という記事です。
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_22372_191839_39

ITジャーナリストの趙 章恩さんが、韓国の現状を次のように書いております。
<以下、引用>
 …さまざまな問題を抱えているが、全国民を番号で管理するのはとっても楽なことである。携帯電話にしても電話番号と住民登録番号がつながっているから、他の国に比べると追跡も容易である。不正侵入や個人情報売買といった事件が続いても、その犯人を追跡する手段にIPアドレスとプロバイダー加入情報と住民登録番号が使われるので、問題点があることを認識していながらも手っ取り早く国民を監視・管理できる住民登録番号制度はやめられない。全国民がおでこに個人情報を張って歩いているようなものだと批判する人もいたが、韓国で生きていくためには住民登録番号なしでは何もできなくなってしまった。
<引用終わり>

 急遽、この話題を取り上げたのには、もう1つきっかけがありました。それは三日ほど前に、ある人からネットショッピングの件で次のように聞かされたからでした。
 「ネットは便利だけど困ったものだ。楽天に出店しているあるショップで買い物をしたら、翌日から頼んでもいないメールが届くようになった、それも複数社から。明らかにそのショップで買い物をした際に入力した個人情報が漏えいしたか、故意に横流しされたとしか考えられない。気持ちが悪い。」というのです。
 同じような経験をされている方はたくさんおられると思います。私自身も迷惑メールに悩まされた経験がありますが、結局メールアドレスを換えるしかありませんでした。
 
 しかし、上で紹介した韓国での話は、そのようにアドレス(番号)を換えるといった対策すらできないのです。ITの進展は確かに便利ですが、国民総背番号制の話ともなるとやはり慎重に考える必要がありそうです。
 日本でも既に住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)が稼働し始めています。総務省の関連Webサイトにある【住基ネットの目的】によると、「IT社会の急速な進展の中で、住民負担の軽減・住民サービスの向上、国・地方公共団体を通じた行政改革のため、行政の高度情報化の推進、電子政府・電子自治体の構築が必要不可欠です。住基ネットは、こうした要請に応えるための基礎となる全国共通の本人確認を実現するシステムです。」とあります。

 ここで「住民負担の軽減・住民サービスの向上…」が謳われていますが、それと引換えに一生監視される人生が待っているとしたら…果たして幸せなことなのでしょうか。住民としても行政に求めるサービスの内容と程度を再検討すべき時期に来ているような気がします。
 リセット・再チャレンジの機会すら与えられないような監視社会だけは、私は御免です。
posted by のほほん at 10:52| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。