2008年04月25日

税金とマーケティング

 今年度に入って、役所がらみで、ある業界の付加価値向上支援を手伝うこととなりました。先日もその事業の対象となっている企業に出向いたのですが、なかなかやりがいのある仕事です。というのは、その企業のモチベーションが非常に高く、お手伝いした成果が現れそうだと実感できるからです。

 ところで、ここで少し困った問題が存在します。実はこの事業、もとはと言えば税金が投入されています。取り組むに当り、担当する役所から言われたことは、「モデル企業になってもらった事例をあとで取りまとめ、広く他の企業の参考となるようにしてほしい」ということでした。これは、税金を有効に利用するという観点からは、至極あたりまえなことです。しかしながら、その対象が、今回は「付加価値向上策」なのです。

 実は、経営コンサルの考え方としては、付加価値向上策とは、「すぐれて戦略的」なテーマなわけです。つまり、グローバル競争が進展している今日において、付加価値を高めようとすると、他社以上に優れていたり、他社とは違う何かに取り組まなければなりません。 
 出来るだけ他者が真似できないようなことを考え出し、実行に移す必要があります。これは、マーケティング戦略の基本中の基本です。そのエッセンスを広く同業他社に利用させるような手法を推し進めることは、マーケティング戦略の観点からは全く相容れないことなわけです。

 従ってここに、税金を投入するにはその目的を吟味しなければならない理由が存在すると言えます。今回の事業については、既に片足を踏み込んでしまっていますので、途中で投げ出すわけにはいきませんが、実際に担当してみて気付かされた出来事でした。
posted by のほほん at 22:05| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月17日

買われる(変われる?)北海道

 先週、窓口に一組の相談者が見えられました。用件は、「北海道の企業を買いたい」というものでした。
 お見えになったのは、首都圏にある本社の社長と、道内にある出先の責任者の方でした。何年かこの窓口で経営相談を担当させていただいておりますが、これほどストレートにこのような話を受けたのは初めてです。

 その社長は言いました。「今、食糧の安全・安心が問題となっている。これまで海外からの輸入に頼ってきたが、今後は万が一のことを考えておく必要がある。日本ではコメは足りていると言われているが、最近の異常気象を考えると今後はそれも怪しくなる。温暖化により関西ではコメが作りにくくなるのではないか。寒いと言われていた北海道が何年か後には稲作適地になるかもしれない。食糧は、間違いなく戦略物資になる。これからは北海道の時代だ」と。
 そして、「北海道で食品加工をしている企業で、後継者がいないなどの理由で困っているところがあれば買収したい」と言うのです。つまり相談というのは、その適当な相手がいれば紹介してほしいということでした。

 こうした話題は、一般的にもあまりあからさまにはならない話です。もちろん私が担当している窓口でもそれほどある話ではありません。また、立場上、正面きって「お教えします」などと言える話でもありません。
 しかしながら、現実問題としては、今、各企業では「世代交代」の時期を迎えているケースが増えております。
 そこで国としても、「事業承継」が円滑に進むよう、側面から支援する措置をスタートさせました。http://www.meti.go.jp/press/20080205003/20080205003.html
 中小企業では、6〜7割が親族への承継となっているようですが、なかなか適当な後継人材が見つからないケースも結構存在します。廃業するのも1つの選択肢ではありますが、従業員が路頭に迷うことにもなりかねません。

 こうした場合、第三者から経営を引き受けてもらえるか否かは、その企業になんらかの魅力があるどうかにかかっています。できるだけ会社の実態を磨き上げ、魅力のある会社に“変われ”れば、結果として“買われ”る企業ということになるのだと思います。
 企業ではありませんが、今、ニセコ地区は外国人に買われる地域となっているようです。オーストラリアからの進出が話題になったりしていますが、実はイギリス人が買っているといううわさも聞いたことがあります。
 問題は、当事者である北海道の企業や人間が、自らの価値に気付き磨き上げようとする意識がまだまだ少ない点にあるのではないかと感じます。
posted by のほほん at 23:46| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月09日

品揃えの妙

 急に、書棚が欲しくなりました。本や書類が増え続け、収納に苦労していました。春は新たなことに手を出してみたい気分にさせられる季節です。この際、スライド式で二重に収納できる木製の書棚を買いたいとの思いが強まり、先週から色々物色しておりました。
 家具屋さんやホームセンター、事務機器ショップ等を見て歩きました。「旭川家具」をウリにしているある店に行ったところ、非常に先駆的なデザインの、どちらかと言えば洋風の家具がたくさんありましたが、残念ながら書棚はありません。また、価格も結構なレベルで、全く私は興味が持てませんでした。たまたまこの店は妻の勧めもあり一緒に出向いたのですが、あまりに早く引き上げようとした素振りが見え見えだったせいか、妻にしかられました。

 ある大型ホームセンターでは、飛騨の家具といっしょに素敵な書斎机がありました。私が探している書棚も並んではいたのですが、ぴたっとくるものがありません。
 部屋が狭く、中途半端なスペースに収まるサイズのものは見つけるのに苦労します。その上、スライド式が希望のためなおさら難しくなります。
 先日の日曜日には、ある家具卸しの大展示会があると知り、出かけました。本来は家具店の得意顧客を招いての商談会だったようですが、飛び込みで入れてもらいました。その会場は見て歩くのも大変なほど広く、豊富な品揃えではあったのですが、ここでも不思議と私の求めている品は展示されていませんでした。

 ネットで探すしかないかな?と思いつつも今日もまた、別な家具店を覗いてみました。すると、なかなか良い感じの品がおいてありました。 その店は、それなりの規模ではありましたが、先日の家具卸し店や大型ホームセンターに比べれば半分くらいの広さしかありません。しかし、私が探していた書棚に関しては、結構的を射た品揃えになっていたのです。
 サイズにもこだわりがありました。それまで見てきた店のものは、ありきたりのサイズのものしか目につきませんでしたが、この店の場合は、本を収納することをよく考えたつくりの品が揃っておりました。店員さんが言うには、「書棚には力を入れているメーカーの品」とのことで、その店の品揃えの方針に共感が持てました。

 それにしても、やはりそれなりの値段がします。10万円を超えることは覚悟していましたが、想定していた予算の2倍の価格でした。さすがにすぐ決められずにいると、それを察した店員さんが別なメーカーの品を紹介してくれました。それも似たような価格がついていましたが、北海道のメーカーのため、より値引きができるとのこと。
 そのメーカーもこだわりの家具づくりをしており、サイズは70cm幅から10cmきざみで12段階ものバリエーションがあるのには驚かされました。そして驚いたことがもう1つ。店員さんは、「このメーカーのものは4割引けます」と言うではありませんか!それだけ引いても儲けがあるということは、定価そのものがそれなりに高めの設定をしていることは容易に想像できます。

 こだわりのつくりに共感していたのに、値引きの話で少し醒めてしまいました。希望していたスライド式のものがなかったこともあり、買わずに帰ってきました。
 それにしても、品揃えとは面白いものです。いくらたくさんの種類があったとしても、当方のニーズにマッチしていないとなかなか興味が持てません。価格が高くなればなおさら譲れなくなるものです。今、予算の2倍する品をどうやって手に入れようか、思案しているところです。
posted by のほほん at 23:42| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月03日

農商工連携

 近頃、窓口相談に来られる案件には一定の傾向があるように感じます。それは世相を反映したものと言えばそれまでなのですが、やはり相談内容として「介護事業を展開したい」とか「食の安全を守って行きたい」という話題が出てきます。
 そして、結構若い人からもそのような意向が表明され、利益も必要だけど、それよりも「世の中の役に立ちたい」という想いが込められているのです。
 今日の相談者もそうでした。たぶんまだ30歳代の女性ですが、既に飲食店を2店舗経営されていました。それだけでも「すごいな〜」と思うのですが、そのあとの話に驚かされました。

 彼女曰く、「流通システムの改革をしたい」とのこと。「今、食の安全が取り沙汰されている。日本の食料自給率は今やカロリーベースで40%を切り、先進国と言われている中では最も低い。しかし、北海道だけでみると農業が頑張っており自給率は200%くらいと言われている。ただ、これも危ないのではないか?
 農家のほとんどは農協を通じて出荷し、農協は大手食品メーカーなどにまとまったロットで販売している。しかし、大手食品メーカーや外食産業は、状況変化にあわせ仕入先を変更することに躊躇はしない。買えるだけ安い国から仕入れることも厭わない。
そうこうしているうちに国内の農家はほとんどダメになる。北海道も例外ではない。今、なんとかしなければ間に合わなくなる。日本人は本当に飢えることになるのではないか?」
 …母親ならではのリアルな危機感なのかもしれません。「だから私は農家の人たちと連携して、トレーサビリティを確保し、食の安全を守りながら、作ってもらったものが多少高くとも、しっかりと消費者に買ってもらえる仕組みづくりをしたいのです」。思わず、涙が出そうな話でした。「人を殺したかった…。誰でも良かった。」などというとんでもない事件が起こる一方で、「まだまだ捨てたものじゃあない」と勇気付けられる話です。

 とは言え、トレーサビリティ(食料品の履歴を遡って確認可能にしようというシステム)をほんとうにきちんとやろうとすると、想像以上の費用と手間がかかりそうです。何よりも農家の方々に、今の何倍ものご協力を頂かなければならないでしょう。
 誰が栽培したのか。使用した種は遺伝子組み換えではないのか。植えつけた田畑の土壌はどのように管理してきたのか。どのような肥料をどの程度使用し、農薬はいつどのくらい使用したのか。収穫の方法は。時期は。そのときの天候は。輸送の状態は。保管の状態は。精米・製粉等一次加工はどこでどのように行われたか。
…等々、逐一、追跡確認可能な状態に履歴管理がなされる必要があります。
 そしてその情報は、基本的に知りたい人は誰でも確認できる状態になっていなければなりません。今でさえ農産物の生産コストが高いと言われているのに、そんな面倒なことができるだろうか…と考えても不思議はないのです。

 今、国では、「農商工連携」なる施策を進めようとしております。これは、地域に根ざした農林水産業や商工業等の産業間の連携を促進することを通じて、地域経済の活性化を図ることを目的とした施策等について、農林水産省と経済産業省が連携して取り組もうというものです。
 ともすれば農産品・水産品に付加価値をつけた新商品を開発することに目が行きがちですが、今日の相談者のような取組みについても、農商工連携としての支援策の適用がなされることを願いたいものです。
posted by のほほん at 22:29| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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