とっさに私は、「何か“許認可”は必要だったかな〜」と考えました。が、とくに思い当たりません。しかし、教えるとなると、ご本人はそれなりに“級”か“段”をお持ちなのだろうと思い、そのことを尋ねてみました。
すると「何も持っていない」と言うのです。続けて、「自分がそろばんができるかどうかは問題ではない。要は、習った生徒ができるようになれば良いのだ」と言います。
それは一つの理屈ではありますが、今ひとつ釈然としません。そこで「目標としては珠算検定に合格させるなどということではないのですか?」と訊いたところ…「別に検定は目指していない。要は脳のトレーニングになればいい」と言うのです。
これには少々肩透かしを喰った気分でした。それならば、何もそろばんでなくても良いようにも思います。
色々、話のやりとりがあった結果わかったことは、そのおじいさんは発明家ではないが、ご自分でオリジナルな講義法などを考えるのが好きなのだということです。それ自体がご自分の脳のトレーニングになっているのかもしれませんが、いくら話していてもビジネスとしての発想が感じられないなと思ったのも無理はない話でした。
まるでビジネス相談の現場で出会った仙人(?)のようなおじいさんでした。久々に、“笑えそう?”なお話でした。