しかし、その受講者は、各地の農協職員や自治体の農政部の担当者であり、農業者に対して直接お話する機会はほとんどありませんでした。
その後の6〜7年間は、専門家として登録はされていたものの、全くといって良いほどお呼びがかからずにおりました。
ところが今日、ほんとうに久しぶりにその農業指導団体から連絡があり、「ある地域の認定農業者が講演してほしいと言っている」と言うではありませんか。私は、二つ返事でお引き受けすることにしました。
時期は、農作業が少し暇になってからとのことで、4ヶ月くらいは後になりそうです。しかし、私にとってはとてもうれしい申し込みでした。
国は、10年ほど前から、将来の地域農業の担い手となってくれる中核的農家を認定し、集中的に支援する方向を打ち出し、その対象者を「認定農家」と呼んでおります。
今回の依頼は、この「認定農家」の有志からの申込みということでした。直接認定農家の方々にお話できるチャンスであり、日頃私が考えていることや疑問に思っていることについて大いにディスカッションすることにしたいと意気込んでおります。
何よりも私が知りたいのは、認定農家の方々が、自分たちの置かれている北海道農業の現状についてどう考えているのか? あるべき姿をどのように描いているのか? そしてその達成可能性をどう感じているのか?…といったことです。
それにたいして、私が考えている理想像とのギャップがどの程度あるのか? こうしたことを本音で語り合うことができれば、今後の北海道農業に少しは貢献できるのではないかと考えているところです。