実際には(とくに我が国の企業においては)、経営者のみならず、管理者及び現場の一パートタイマーに至るまで、日々なんらかの意思決定がなされているわけですが、それは“作業”もしくは“業務”上の意思決定であり、“経営”の重要意思決定はやはり経営者ということになります。
ところで、今日このテーマを取り上げようと思ったのは、近頃の窓口相談で、以前に相談を受けた案件が思わしく行かない例が目立つように感じるからです。
あとになって「…たら」「…れば」の話をしても仕方がないとは思うのですが、それにしても、「もう少し早いタイミングで手が打てたら、結果は違ったものになっていたはずなのに…」と悔やまれるケースが目立ちます。
インターネットが普及し出した十年ほど前、「ドッグイヤー」なる言葉が流行ったことがありました。「犬は人間の7倍のスピードで歳をとる。ネット時代は、それほどまでに変化のスピードが速い」ことのたとえとして用いられたものでした。
これに伴い、経営の意思決定や行動も、そのスピードにマッチさせていく必要があり、タイミングを逃さないということが益々重要になりました。
一方では「スローライフ」や「LOHAS」などといった言葉が叫ばれているものですから、経営者にも迷いが生じているのかもしれません。
しかしそこは「バランス」をとることが必要なのだろうと思います。「やるべきこと」と「すべきでないこと」「やるとしたら、どこまでやるか」「今やるのか後でやるのか」「その割合はいかほどか」といったことが明確になっていないと、迷うだけでしょう。
企業が成長するとき、いくつかの場面でバランスを崩します。それをどのタイミングで修復するのかも、重要な意思決定のひとつです。
順調に行っているように見えても、第三者から見ると「バランスが崩れそうだ」と気づくことがあります。早めに窓口相談を利用されるのも“ころばぬ先の杖”ではないかと思うのです。